部屋の風通しを第一に

リフォームは、アイディア次第で新しいものが生み出せたりするところが面白いです。シックハウス症候群の対策としてだけではなく、風通しを良くするというのは、毎日の暮らしのなかで快適に過ごすための基本中の基本です。以前手がけた戸建ての中古住宅では”開かずの間”があって、前の住人がそこで犬を飼っていたので、何とも言えない嫌な臭いが染みついていて、(部屋を開けたくても)開けられないということがありました。そこで床板を全部はがして交換し、上からペンキを塗って臭いを抑え、また壁が汚くボロボロになっていた部分には、腰板を張ってカバーしました。リフォーム後、部屋の風通しが良くなると、嫌な臭いを全部消す事ができました。これからリフォームをするのなら、まず部屋の風通しを第一に考えてください。もともと日本は湿気が多いので、通気、つまり風を通すしかないということが必要です。対策としては、風を通すために大きな窓を全開するということではなく、風が流れるよう向かい合わせの方向に、最低15センチの開きがあればいいそうです。これは対流を起こさせ、俗にいう”風の通り道”をつくるということです。通気のことでいえば、下駄箱やクローゼットなどの扉は密閉型ではなく、たとえばルーバータイプを使ってください。収納には湿気がこもらない工夫が必要です。リフォームの依頼でよくあるのが「子ども部屋をつくりたい」というものです。私は子どもに個室はいらないと思っていますが、ただ、どんなに狭い家でも、子ども用の”自分だけのスペース”は必要なので、それは必ず確保することは大事です。一般に、子どもが大きくなるにつれて「個室がいる」と思われがちですが、個室を与えさえすれば勉強するわけではないことは、皆さんも心当たりがあるでしょう。食器がふれ合う音、家族の会話など、日常の生活音がするなかで家族がコミュニケーションを図れる状態こそ必要なのだと思います。そもそも子どもを大事にすることと個室を与えることは別の話です。「子どもを大事にしたいから個室を与える」という考え方が高じると、「個室がないから、子どもに不自由をさせている」と親が勘違いすることになりかねません。個室をねだる子どもには「家が狭いのに、なんであんただけ個室がいるの?」と言うぐらいでちょうどいいのです。